無肥料無農薬。太陽、水、土、微生物。自然のエネルギーで栽培する自然栽培農法の米を原料とし、自然の菌の働きを活かした伝統製法『生酛造り』で醸す。
Tsuchida 壌は、自然の力を最大限に活用した日本酒です。
自然栽培農法はとにかく手間がかかります。
農薬を使わないため雑草が多く生え、草取りは本当に大変です。
その上肥料を使わないため収量が少ない。
通常の半分程度しか収穫できません。
しかしながら、自然の力をうけ土地の栄養を十分に蓄えた米は、とても根が強く生命力があり力強く育ちます。
栄養分も豊富で、亜鉛、ヘム鉄、カリウム、マグネシウムなどのビタミンやミネラルが、通常のお米の2倍ほども含まれているそうです。
そのようなお米、たくさん精米してお酒にしたのじゃもったいない。
このお米そのものの味を、なるべくそのままお酒に表現しよう。
お米はほぼ削らずに精米歩合90%としました。これは外側の10%だけ削り落とす、食用の米とほぼ同じ精米です。
日本酒のランク付けとして、大吟醸や純米大吟醸といったものがありますが、精米歩合50%はざらで、40%、30%、さらには10%以下といった突き抜けたものまで見かけるようになってきました。
削れば削るほど価値が上がるのではなく、削らないことに価値がある。
お米、土地そのものの味わいだったり、生産者の方々や田んぼのストーリーをそのまま感じられる。そこに価値があると信じ、このようなコンセプトのお酒を造りました。
土田酒造の中では最高級の商品となります。
一般的に言う高級酒の大吟醸のような、キレイでスッキリしていてリンゴのような香りがするお酒ではありません。そのようなお酒をお探しの方はお手に取らないことをおすすめ致します。ご期待には添えません。
私達はこのTsuchida 壌のような酒が、日本酒のあたらしい価値観になっていくと信じています。
有名な酒米でもなく食用のお米で、精米もほとんどしない。
香りの出る酵母などもつかうことなく、法律で使用が認められているが表示義務のない(乳酸、酵素剤などの発酵補助剤)添加物も仕様せず、自然の菌のちからで発酵させる。
搾ったお酒も無濾過無加水の本当の原酒のまま。色や香りを活性炭ろ過で除去することなく、そのままのものを瓶詰めしています。
田んぼから瓶詰めまで自然。自然のあじわいをなるべく残すように造りました。
保管も常温で全く問題ありません。
むしろ常温で置いてください。
開栓後もそのままで大丈夫です。空気と触れることで劣化することなく、味わいに変化が生まれます。
最後に『壌』の味わいについてお話しさせてください。
系統は弊社定番商品の”シン・ツチダ” とおなじコンセプトですが、味わいは異なります。
これは使用した原料米が、『自然栽培米』であることが大きな要因であるようですが、まだ実験段階であり確証は得られていません。しかし、確実に通常のお米と自然栽培米では味わいに大きな違いがあります。
しっかり味があり濃厚だけど、後味は意外とスッキリ。このような表現がいいのではないかと思います。
先日、東京でおこなわれた日本酒イベント『若手の夜明け』にもこのお酒を出品し、多くの方にお飲みいただきました。
『麦みたいな香り』
『ご飯食べてるみたい』
『焼き芋みたいな感じ』
『今日一番の衝撃』
このようなコメントを多数頂きました。
最初はこのようなお酒が受け入れてもらえるか不安だったのですが、このようなコメントを頂き、私達のやっていることは間違っていないんだと、自信を持つことが出来ました。
大事なのはお飲みいただいた上で、このお酒のコンセプトやストーリーをお話しして共感していただくことだと思います。舌で味わうと同時に、ハートで味わってもらう。そうするとより美味しさが深まる。そんなお酒だと思います。
直接私達からお話しできないかわりに、商品にはこのようなお話しを書かせて頂いたリーフレットをお付けしております。お酒を飲みながらお読みいただければ幸いです。
Tsuchida 壌 自然栽培米ササシグレ2020-2021
・原料米 :群馬県高崎市産 自然栽培米(ササシグレ)
・精米歩合:90%
・仕込み水:武尊連峰伏流水(関東名水百選)
・麹歩合 :35%
・種麹 :焼酎用黄麹
・酒母製法:生酛
・酵母 :酵母無添加
・アルコール度数:16%(原酒)
・グルコース:3.5
・日本酒度 :−12
・酸度 :3.4
・アミノ酸 :3.4
・火入れ :1回
・保管方法 :常温保管可能
※記載されている材料のみ使用。
表示義務が必要ない添加物も不使用です。
Text by:OZAWA (Instagram @ozawa0278)
群馬県沼田市出身。伝統的なものづくりに憧れ、1999年土田酒造に入社。
酒造り、瓶詰めの製造部門から始まり販売部門である事業部を経て、現在はセールスプロモーションマネージャーとして、デジタルマーケティング、広報PR、各種SNS運用など勉強中。