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【酒米90】"土田酒造×酒造好適米×磨かない"

2020年3月30日

(著:野崎 @nozakijpn)

*注
令和1酒造年度(2019年7月1日~2020年6月30日)
平成30BY(2018年7月1日~2019年6月30日)
29BY(2017年7月1日~2018年6月30日)


1BYに造ってる酒は、30BYに造りたくなった酒。
醸造計画を立てたら、あとはずっと検証タイム。
飯米を溶かす喜びを知った土田酒造の、"酒米低精白"。

30BY 検証タイム (2018年11月~2019年5月頃)
『Meat Lovers Only』で低精白に惚れ込み、追加した『イニシャルM』で確信。『イニシャルM』では複数タンクのうち一部を"減農薬・減肥料米"にして、余韻の違いを確信。『麹Gradation』では、麹歩合(99%,77%,55%)による味わいの違いを確信。
ほぼ全量を群馬県産の"磨かない食用米"で仕込み、低精白と麹歩合への興味が尽きなかった1年。


1BY 醸造計画(2019年6月〜2019年8月頃)
醸造計画には"無肥料・無農薬の自然栽培米"『長野県産カミアカリ』『秋田県産ササニシキ』精米歩合90%が登場。"磨かない酒造好適米"『山田錦』『美山錦』『五百万石』『愛山』『雄町』の精米歩合90%、かつ麹歩合違い(40%,20%)で登場。
さらなる低精白を、そして溶かされる米を確かめたい1年になっている。



さて、ここからが本題。
"土田酒造×酒造好適米×磨かない" のリリース情報をお伝えしたい。

▼"土田酒造×酒造好適米×磨かない"
今やほぼ全量を"群馬県産飯米"の土田酒造による酒造好適米の味比べ。
米を溶かしたクリアな旨みを追求する進化の過程でベストのタイミング。

ふり返ると飯米はずっと使ってきた。安価だったため地元向けの低価格帯に重宝した。山廃になって菌の力でオフフレーバー(嫌な香り)を防ぎ、製麴でよりクリアな味わいを実現した。タンパクを予め減らした酒造好適米も、それを削る必要性も分からなくなってしまった。極端に綺麗でいい全国新酒鑑評会出品酒を除いて、全て飯米にしたのが2017年の全量山廃化。30BYには『麹Gradation』で麹歩合違いを確認すると、果たして味わいを決めるのは米だろうか?という壁に直面した。急遽追加した"減肥料・減農薬米"によって、わずかな余韻の変化を感じとった。米はやっぱり大事だろうと直感した。この気持ちを検証せずに、2BY以降の醸造計画を立てることはできるだろうか?

自然栽培米を終え、味わい的にも、醸造技術的にも、哲学的にも惚れ込んでしまった様子。でも全量とはいかないだろうな。いくら気持ち的には飯米だろうが、低精白の酒米を使ったことがない。試さずに2BYを迎えるのは"気持ち悪い"。やっぱりベストなタイミングだと思うけど、社長の直感って本当に。それでも「好適米の方が旨いって可能性もあるんだよ!笑」と前のめりになる社長には、六代目土田時代を一緒に築く仲間が "社内外に" いま必要だ。

数年前まで "土田酒造×酒造好適米×磨き" が当然だったように、今も市場はこの傾向にあると思う。
やってもみないで言うのが嫌いな土田社長。気持ち悪い状態が嫌いな星野杜氏。
なんでもやってみるのが好きな土田社長。胸を張れるのが好きな星野杜氏。
想いが伝わっていないのが嫌いな野崎。ちゃんと伝わったら嬉しい野崎。
うちのそんなの雰囲気もこの酒から伝わってくれたらいいと想い始めた。



▼リリース仮情報
1、酒米5種、麹歩合2種の10パターンで醸造
2、酒米5種を5ヵ月連続でリリースする予定
3、最初は「山田錦 麹歩合40%」「山田錦 麹歩合20%」で、4月下旬〜5月上旬を予定
4、販売方法は未定
5、小売価格は¥1,500前後を予定

限定本数は、麹歩合20% < 麹歩合40% になるはず。
麹を多く使った方が溶けやすいとはいえ搾ってみないと分からない。
酒米のネームバリューで売れても実験にならないし、感想が聞けないとつまらない。
現時点でどれくらい興味を持ってもらえたかツイッターで教えて欲しい!
セット販売のみか、バラ売りできるか、どこで販売するかも悩んでいるので。

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