こんにちは、土田酒造の土田祐士です。
この酒蔵の、代表をやっています。
土田酒造は、群馬県の川場村にある酒蔵。
人口3,300人ほど。
少子化、高齢化が進んでいるのは、ご多分に漏れず。
人口減は、ここ5年で6.8%減なので、地方としてはまだ良いほうでは?と思えます。
実は、こんな小さな村に
「年間160万人の観光客」
も、訪ねて頂いてます。
「テーマパークでもあるのか?」
と思うかもしれません。
実はうちにめがけて…と自慢したのですが。
その内容は、酒造りと関係ないので、また後ほど。
酒造りに関係あるといえば、発酵に大事な気温。
川場村の年間の平均気温は9.1℃。
あなたのところに比べたらだいぶ寒いのでは?
8月でも、平均21.7℃。
試飲会でそんな話しをしますと「え、低い!」とよく言われます。
私も低いなー、と思っていましたが、これにはカラクリが。(最近わかりました)
日中の平均気温なので、夜の気温が低いからなんですね。
暑い日の昼間は、さすがに30℃をこします。
そしてまってました、寒い時期。
1月の平均温度は、-2.8℃。
写真のとおり、雪もワサワサふります。
今年は少ないけど。来年も少なそうだけど。スキー場の方は大変そう。
「寒造りというくらいだから、寒いほうが酒造りのはいいんじゃないの?」
と思われるでしょう。
まさにそのとおりです。
寒ければ、酒造りにとっては抑えたい菌の活動が弱くなります。
全量生酛仕込みのうちにとっては、ありがたい環境です。
誤解を恐れずに言いますと、現代の速醸主体の造りなら寒くなくても大丈夫。
と経験則から思っています。
それは、全量速醸→全量山廃&たまに菩提酛→全量生酛やったからわかったことです。
特に速醸なんかは、中音速醸とか、高温速醸があるくらいだから、暖かくてもいいじゃん。
異論があるかもしれませんが、全部やってみた経験者の方は「わかるーわかるー」状態と思います。
あ、これについては「酒母において、添加した酵母だけを純粋に増やしたい」点についてです。
放冷するときに雑菌が多そうで嫌だなーとか、醪の温度が高くなると嫌だよなー、とかは抜きの話しです。
(これについては、また後日詳細を書いていきます)
ということで、川場村の温度は、いまの土田酒造にとって、とてもありがたいというお話しでした。