こんにちは、土田酒造の小澤です。
弊社新発売商品
『研究醸造シリーズ』についてお話しさせて頂きます。
山田錦
五百万石
美山錦
雄町
愛山
日本酒党の皆様なら、誰もが知っているこの酒米5品種。
この5種を
精米歩合90%の
生もと造りで
麹歩合20%と40%の2タイプずつ
合計10本の研究醸造 酒米×麹歩合シリーズ。
皆様御存知の通り、
土田酒造は通常、酒米を使いません。
では何故、酒米を使ったこの酒達を造ったのか?
私達は、最近の酒造りの中で、
ひとつの疑問を抱いたのです。
『お米を削って、お米の味わいって果たして出ているのか?』
今年、シンツチダというお酒を発売しました。
飯米を精米歩合90%で造ったお酒です。
シンツチダを呑んだときに
『炊いたご飯のような味』を感じ、
『酒米も削らないほうが、酒米ごとの味が出るのではないか?』
という疑問を抱いたのです。
どうやって販売するのか?
どのラベルで出すのか?
など、販売のことは何も考えずに、造ってしまう。
まさに研究醸造。
自分たちが知りたいから、造る。
やってみたいから、造る。
まあ土田酒造らしいですこと!笑
5種類の酒米の違いを知りたいだけなら
5種類で良かったのに、
なぜ麹歩合違いでもう5種造ったのか?
これは社長も反省しているようで、
やりすぎたと言っていました。(笑)
麹の酵素がお米の成分に反応して
日本酒の味わいになりますが、
麹の量(麹歩合)によってお米から出る味わいも
変わってくるのではないか?
品種よりも、もしかしたら麹歩合のほうが大事なのではないか?
という検証がしたかった、ということで
5種類×2タイプで、10本となりました。
下の表が、10本の分析値です。
麹歩合20%と40%の違いがはっきりしていて面白いですね。
飲み比べの方法は
●麹歩合ごとに5本飲み比べ
●お米ごとに2本飲み比べ
●1本ずつ、他社様の同じお米のお酒と飲み比べ
このように比べていただきますと面白いかと思います。
開栓後の時間経過や、飲む温度帯での変化も楽しめそうですね。
開けてから1週間たったら雄町がとても良くなった!
お燗にしたら五百万石が良くなった!などなど。
いろいろな『自由研究』がたのしめそうです♪
この研究醸造の10本について、
YOUTUBEライブ配信『土田酒造のくらびらき!』で
蔵元と杜氏がお話しさせて頂きます。
ぜひ、お酒を片手に御覧頂ければ幸いです。
https://www.youtube.com/channel/UCD6EGiT52_1AkAQ_A1PC34g
(チャンネル登録お願いします!)
そうそう、このお酒、常温保管OKです。
10本も冷蔵庫入りませんからね。
直射日光の当たらないところに保管をお願い致します。
90%精米の酒米で、同条件で造って、それを一斉に販売するって、
私もこの業界長いですが、聞いたことがありません。
我々も、もう造ることはないですから、
こんな飲み比べは二度と出来なくなるかもしれません。
お手にされた皆様は、
土田さんやりすぎだよ!とツッコミ入れながら
最初で最後の、土田酒造 酒米ワールドをお楽しみ頂ければ幸いです。
ちなみに、研究醸造シリーズは、
研究テーマを変えて次の造りでも行う予定です!
著:土田酒造 事業部 部長 小澤卓也