お酒について

麹99%で造った日本酒 “Tsuchida 99”

*YOUTUBE土田酒造ch Tsuchida 99 解説動画より抜粋し編集した文章です。

動画はこちらからご視聴いただけます。

https://youtu.be/aC8qdp2DDFA

 

 

 

日本酒造りに大事な要素は何だと思いますか?

日本酒づくりには古くから、

『一麹、二もと、三つくり』という格言があるほど

麹造りが大事とされています。

 

土田酒造の酒造りでも

『麹』づくりが味を決める一番重要な工程として、

日々研究を積み重ねています。

 

 

Tsuchida 99は、その名前の通り

麹を99%使った日本酒です。

 

昨年までは、”麹九割九分”という商品名で販売していました。

 

 

通常の造りの日本酒は、仕込みにつかう米の総量のうち、20%ほどの麹米と、80%ほどの白米で造ります。

Tsuchida 99は、麹が99%、わずか1%白米で造ったお酒です。

 

 

【なぜ100じゃなくて99?】

 

なんで100じゃなくて99%にしたの?

よく聞かれる質問です。

 

日本酒の造り方の定義として、

「米、米こうじ及び水を原料として発酵させて濾したもの」と

酒税法にて定義されています。

 

 

そのため、わずか1%でも白米を使わないと

日本酒として造れなくなってしまうのです。

 

 

 

【Tsuchida 99の酒造り】

 

基本的な造りのながれは、通常のお酒と同じ様に

酒母をつくり、添仲留と三段仕込みで造ります。

 

通常の仕込みでは、

酒母仕込みと三段仕込みの際に、蒸した白米と麹を投入しますが、

 

Tsuchida 99では蒸した白米が入りません。

その代わりに麹を投入します。

 

そして、日本酒の定義にあてはまるように、

蒸した白米を1%だけ酒母づくりの時に投入します。

 

 

 

【99の決め手は麹造りにある】

 

昨年の解説動画でも言っていましたが、

一度キレイな酒質にしてみたいと思っていました。

 

麹歩合99%でキレイな酒質を実現するために、

昨年から麹をつくる時間「製麹時間」を短くしました。

 

製麹時間とは、

麹室に蒸米をいれて、麹の種菌をふって、

目標とする麹ができあがるまでの時間です。

 

通常の酒造りでの製麹時間は48時間が一般的。

突きはぜの麹の場合、60時間ほどかける場合もあります。

 

土田酒造の場合、製麹時間41~42時間が多く、

通常の造りでも短めの製麹時間でつくっています。

 

そもそも短い製麹時間の中で、

昨年の99の製麹時間が『36時間』

今年はさらに3時間短くして『33時間』にしました。

 

製麹時間を極端に短くすることで、『軽さ』を表現することを狙いました。

 

 

Tsuchida 99は、ほぼ麹だけでつくっているから

麹の出来具合が味にダイレクトに影響します。

 

軽くてキレイな酒質を目標にした今年の99。

 

それを実現するために、麹を軽くする。

 

麹を軽くするために、製麹時間を短くすることにしました。

 

できあがった酒は

甘みがあって、濃いけど、軽い後味。

 

狙ったイメージに近い酒に仕上げることができました。

 

 

 

【協会901号酒母と野生酵母酒母】

 

今年の99、実は2つの異なる酒母で造っています。

 

協会901号の酒母と、野生酵母(いわゆる酵母無添加) の酒母。

 

この2つを別々に造って別々に仕込み、

搾って仕上がった酒をブレンドしたものを製品にしました。

 

なぜ、そんな面倒なことをしたのか。

 

昨年までの99は、ずっと協会901号で造ってきましたが、

おそらく野生酵母の影響をうけていて、

9号酵母の香りもありながら野生酵母の香りも感じられていました。

 

昨年の造りで、協会酵母を純粋培養するという技術を習得していたため、

今までの野生酵母の影響を受けていた99とはちがう、

協会901号だけが育った、キレイにできた酒母が仕上がるのではないか、と推測しました。

 

そのため、いままでのワイルド感のある99から、

大幅に変化させないように野生酵母の酒母を立てて、ブレンドすることにしました。

 

ブレンド前の2つの酒母で出来た酒は、予想通りまったく違う味わいでした。

 

901号のほうがクリアで、少し尖った感じがある。

これはこれで旨いのだけども、99とはちょっと違う。といった感じ。

 

一方野生酵母の方は、甘みもアミノ酸もしっかりあり、

今までの99にちかくワイルドな感じの仕上がりでした。

 

2つをブレンドしたときにイメージに近い『軽くて旨い、理想の99』が出来上がりました。

 

 

 

【肉、中華、エスニック。意外な食事とあわせて】

 

日本酒といえが、お刺身、天ぷらなどが定番ですが、

日本酒の枠ギリギリの99は、意外な食事との相性が抜群です。

 

たとえば肉料理。

 

ステーキや生ハム、普通は赤ワインでしょ!っていうような食事にも良く合います。

 

中華料理とも相性抜群。エビチリ、酢豚、餃子、抜群に美味しいです。

 

スパイシーなタイ料理やベトナム料理などのエスニック料理もおすすめです。

 

チーズやキムチなどの発酵食品とも合わせてみてください。

食事をひきたて、一層に美味しく召し上げれることと思います。

 

『一麹(こうじ)、二もと、三つくり』

Tsuchida 99は、『麹』を限界まで使い、

麹のパワーを最大限引き出し醸した日本酒です。

 

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著:編集  土田酒造 事業部 部長 小澤卓也

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